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Season 12

上を見つめて

果てしない夜空の下で、ウエストサイドの写真家はイン スピレーションと進むべき方向を見つけました。



グーグルでオアフ島のナイトライフと検索したら、ワイキキのナイトクラブやホノルルきってのマイタイを飲ませるというバーがごまんとヒットする。だが、夜を過ごすのにいちばんの場所を天体写真 家ダヴィン・カーヴァーロさんに尋ねたら、きっと違う答えが返ってくる。

オアフ島ウエストサイド、ルアルアレイビーチの近くで生まれ育ち、子供のころからスケートボードやサーフィンに興じる友人たちの姿をカメラにおさめてきたカーヴァーロさんにとって、写真はいつ もクリエイティブな情熱を発揮する媒体だった。そんな彼のもとに2018年、運よくフルタイムのビデオグラファーの仕事が舞い込んできて、趣味を仕事にするチャンスを得た。新しい役割に合わせて機材をアップグレードする際、カーヴァーロさんは以前から惹かれていたハワイの美しい夜空をとらえられるカメラをひそかに選んでいたという。

当時、カーヴァーロさんは8ヶ月にわたる禁酒プログラムの最中で、アルコール類を断つ一方で、かつて好きだったハイキングやカヤッキング、ダイビングへの情熱を温め直している時期だった。やがてま たアルコール類も口にするようになったが、飲酒をしない生活のほうがいいことがはっきりして、きっぱり飲酒をやめる。「酔うために使っていた時間を、もっと建設的なことに使うように切り替える必 要があったんです」カーヴァーロさんは天体を撮りはじめた時期を振り返る。「撮影に出かけ、まずは夕陽をカメラにおさめて星が出るのを待ちました。タイムラプスで撮影したり、天の河を入れて風景を 撮影したりしましたよ」

まばゆい街の灯りから遠ざかれば遠ざかるほど、夜空は身近な存在になっていった。最初に見つけた星座は、北半球では冬にもっともはっきり見えるオリオン座。すぐに春、夏、秋の星座も見つけられ るようになり、やがて何よりも頻繁に撮影する月のクレーターの名前も覚えてしまった。

時が経つにつれ、カーヴァーロさんはハワイアンという自分のアイデンティティをより強く感じるようになっていく。星座のハワイ語の名前や航海に必要な星の位置を学びながら、自分が生まれ育った ハワイの文化において星がどれだけ重要な存在だったか、前より意識するようになった。ハワイの人々にとって星は道しるべだ。航海の指針というだけでなく、星で季節を知り、作物を植えつけや収 穫のタイミングをはかり、戦いと休戦の時期を決める手がかりにさえしてきたのだ。

カーヴァーロさんは、夜空を見ながら写真に対する情熱と生きる意味を確かめる。「自分たちの先祖が見ていた夜空を彼と同じ場所から見ていると、自分がいるべきときにいるべき場所にいると思え るんです」カーヴァーロさんは言った。「ぼくは今、自分がいるべき場所にいるんです」

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