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Season 10

パドリングの先に待つもの

マカハのシェルダン・ペションさんはサーフィンと友情を通して生きる道を見つけました。



29歳のシェルダン・ペションさんにとってサーフィンは過去20年、ときに危険な人生の道のりを歩く上でのコンパスだった。マカハビーチとマイリポイントのあいだのどこかで、両親と一緒にテント暮らしをしていた14年間、シェルダンさんにとって海はいつも温かく受け入れてくれる場所だった。自分のサーフボードを買うお金はなかったが、幸運にもボードを使うチャンスが訪れればいつもマカハの海にパドルアウトした。マカハは1954年初頭に世界で初めて国際的なサーフィン選手権が行われた特別なサーフブレイクだ。

サーフィンに適したいい波で知られるウエストサイドだが、オアフ島のほかの地域に比べて貧富の差が激しいことでも知られている。だからこそウエストサイドの住人は荒っぽいのだ、とペションさんは語る。ローカルのサーファーたちも同様だ。アマチュアの大会に出はじめた頃、彼がとびきりのやんちゃ坊主として名を馳せたのもそんな環境のせいだとペションさんは言う。

2005年のある日、ノースショアでサーフィンをしたあと、ペションさんは友人にメイソン・ホーさんを紹介された。この偶然の出会いが、彼の人生を変えていく。「僕たちは親友になりました」ペションさんは振り返る。「ノースショアに行けば必ずメイソンの家に泊めてもらって、メイソンのシリアルをぜんぶ食べて、毎日一緒に波乗りをしましたよ」

ホー家といえば、世界のサーフィン界で王族のように崇められている一族だ。メイソンの父マイケルさん、そして叔父の故デレクさんは、’70〜’80年代にわたってハワイにおけるモダンサーフィンのパイオニアとして、後に続く世界中のサーファーに影響を与えた兄弟。「サーフィン界のトップに君臨する人たち。最高峰にいた人たちですよ」サーフィン熱が高じてプロになることを夢見ていたペションさんは、必要としていた安定をホー家の人々から得た。精神的に、そしてときには経済的にも、ホー家の人々はペションさんを支えてくれた。

しかし、ペションさんの試練はその後も続く。ときには悪い仲間の誘惑に負けてしまうこともあった。「ウエストサイドには、サーフィンをしない昔の仲間もいました。トラブルに巻き込まれ、窃盗の罪で警察のお世話にも なりました」務めを果たしたあと、ペションさん自身が選んだ家族――サーフィンを通じて自由や前向きな姿勢、人生の目的を見つけた人々が、立ち直るきっかけとなった。「負けずに前に進むために、ホー家の人たちが心の支えでした」ペションさんは振り返る。

ペションさんはサーフィンに専念し、日に5時間も海に入るようになった。それは今も続いている。メイソンさんの協力もあって努力は報われ、サーフィンの世界では世界的なブランド〈ロスト・サーフボーズ〉と〈リップ・カール〉というスポンサーも得た。絶え間ぬ努力がチャレンジャー・シリーズへの出場につながる日もきっと来るだろう。チャレンジャー・シリーズへの出場は、プロサーフィン界のトップレベルであるWSL(世界サーフィンリーグ)のツアーに進むための足がかり。それが叶う日まで、ペションさんは暇さえあれば海に入って大きなチューブを追いかけ、そんな自分の姿をビデオにおさめている。

低所得世帯出身のウエストサイドの若いサーファーたちにとって、ペションさんは貧しさから抜け出した実在のお手本だ。ペションさんは何であれ自分の夢を追い続けろと彼らを励まし、この一帯につきまとう不名誉な汚名など気にせず、地元の人にも観光客にも、自分が育った美しいウエストサイドを訪れるようにと勧める。

「ウエストサイドを訪れるときは、自分の家と同じように礼儀を忘れないでください」ペションさんは訴えた。「大切なのはアロハの心です。アロハの心を示せば、アロハの心が返ってきます」ペションさんは誇らしげに、ワイアナエのメインストリート沿いにテントを張り、魚やフルーツ、自家製のプレートランチを売る人々にも触れた。「道沿いでものを売っている人がいたら、車をとめて何か買ってあげてください。どこか訪れたら、そこに暮らす人々に何かお返しするっていいと思うんですよ」

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