カポレイのカ・マカナ・アリイ・ショッピング・センターにあるフラ教室、ハーラウ・フラ・オ・ホクラニのケイキ(子供)たちは、15ヶ条の大事な規則を守ることでクム(先生)やフラ仲間、そして家族への敬意を示している。”稽古には遅刻せず、学ぶ準備をととのえて来ること“”とくに理由がなくても、大好きなお母さんとお父さんにちゃんとハグとキスをすること”といった規則を、稽古の途中やパフォーマンスのあと、いきなり暗誦するように言われることもある。規則を口に出して唱えるたびに、若いダンサーたちは自分が踊るフラの動きひ とつひとつに人への敬意や思いやり、そして仲間意識を込めることを思い出すのだ。
ハーラウ・フラ・オ・ホクラニは1985年、フラという芸術とハワイ文化に伝説的な貢献をしたラリー・デレゴさんと故マーリーン・ホクラニ・デレゴさん夫妻が創設した。それぞれフラ界の名家出身のデレゴ夫妻は、自分の子供たちにフラを教えることからはじめ、やがて住んでいたワヒアワーの近所の子供たちにも教えるようになる。ハワイの文化と家族を大切にする価値観で結ばれたハーラウが大家族として着実に成長していくなかで、”アンクル・ラリー”と”アンティ・ホク”はそれぞれのフラのスタイルを融合させて物語の独特な表現方法を生み出した。
ハーラウ・フラ・オ・ホクラニは1985年、フラという芸術とハワイ文化に伝説的な貢献をしたラリー・デレゴさんと故マーリーン・ホクラニ・デレゴさん夫妻が創設した。それぞれフラ界の名家出身のデレゴ夫妻は、自分の子供たちにフラを教えることからはじめ、やがて住んでいたワヒアワーの近所の子供たちにも教えるようになる。ハワイの文化と家族を大切にする価値観で結ばれたハーラウが大家族として着実に成長していくなかで、”アンクル・ラリー”と”アンティ・ホク”はそれぞれのフラのスタイルを融合させて物語の独特な表現方法を生み出した。
クム・ケハウと姉妹、レイナニ・ラウアキさんとレオナニ・ナホオイカイカさんは年間を通してフラの稽古を行いながらイベントを企画し、ハワイ内外の大会の準備も手がけるなど、ハーラウの活動をつねに刺激に満ちたものにしている。ハーラウ・フラ・オ・ホクラニはただ踊りのテクニックとしてのフラを教えるスタジオの次元を超えて、生徒たち、さらには生徒たちの家族の人間性を育み、独創性を引き伸ばし、ハワイの伝統的価値観であるラウリマ(協力)の大切さを伝えることを目標としている。レイや衣装、装飾品を手作りし、メレ(歌)の背景を学びながら、準備段階からパフォーマンスに至るまで、生徒の家族もまた生徒と一緒にフラの道を歩いているのだ。「みんなでカヌーを漕げばなんだってできる。両親の時代から、わたしたちのハーラウはこの精神を大切にしています」
女児は3歳、男児は5歳から、ホリデーシーズン中、ケイキたちのグループは隔週でカ・マカナ・アリイなどの観客の前で踊る。初心者はまず基本のステップや姿勢、手の動きを学び、中級になるとプイリ(先を割った竹の棒)やウリウリ(鳥の羽根で飾ったり、タパの持ち手をつけ、小石を入れたひょうたん)も使い、より複雑な振 り付けを習うようになる。上級者は毎年オアフ島で開催されるクィーン・リリウオカラニ・ケイキ・フラ・コンペティションや、サンフランシスコのベイエリアで開かれるイアー・オエ・エ・カ・ラー・フラ・コンペティションなどへの出場に向けて練習に励む。ハーラウが毎年開催している夏の集中プログラム、ナー・プア・オ・ケイキは、フラのカリキュラムにハワイ文化やハワイ語、クラフトも盛り込んだ朝から夕方までのプログラムで、生徒全員が参加できる。
毎年1月にはハーラウのホーイケの行事もあり、稽古場以外での子供たちをよりよく知るために指導員たちがケイキダンサーひとりひとりと面接する。ハーラウの規則を再確認するだけではなく、子供たちは家族や趣味について発表し、その年のテーマ(2024年はカウアイ島)に沿ったプレゼンテーションを行うなど、フラ以外の才能を披露する機会も与えられる。ウクレレや絵画、ビデオグラフィーや、釣ったばかりの魚をさばく腕 前など、子供たちはさまざまな得意技で指導員たちを 楽しませてきたそうだ。
ハーラウの稽古場には”伝統の壁”があり、14名の人々の写真が額におさめられている。自分たちはここに並ぶ人たちから伝統と価値観を受け継いだのだと生徒たちが確認するための壁だ。最上段に飾られているのは、ハーラウを創設したデレゴ夫妻が影響を受けた名フラダンサーやハワイ文化の実践者たち。二段目は一族のフラダンサーが年代順に並び、三段目はハーラウの伝統を新しい世代へと伝えるデレゴ3姉妹の写真。「稽古に身が入らない生徒には、後ろを向いてアンティ・ホクの前で踊ってみなさいと言うんです」カヴァイさんは言う。「子供たちは背筋を伸ばし、お互いに支え合っていかなければいけないんだと思い出すんです」